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映像制作のフローチャート 〜ポスト・プロダクション編〜

目次

ポストプロダクション編

前回までプリプロ、撮影編と続けてきましたが、今回はポスト・プロダクション(以下ポスプロと表記)について紹介します。

"Post"とは「〜の後の〜」みたいな意味があります。そのままの意味で、撮影後の工程のことを指します。
というか、ほぼ編集作業ですね。
撮った素材を繋ぎ合わせて加工し、媒体によって公開できるパッケージにするまでの作業を総称して「ポスプロ」と呼ぶことが多いです。

余談ですが、編集中に撮影時のミスに気付いたりなんてこともよくあります。その場合は編集でどうにか誤魔化したり、海外だと再撮影なんてこともままありますね。
海外のフランチャイズ映画だと、配給元と意向が合わず監督交代したり役者が不祥事を起こしたりして、再撮影を行った結果、予算が膨れあがっちゃっていくら興行収入があっても制作費分ペイできない……なんて話も最近はよく聞きます。売れても評価が良くても赤字だなんて恐ろしい話です。

編集の流れ

まあ一口に編集と言っても色々工程があります。

①撮影素材を編集ソフトにインポート
②オフライン編集
③オンライン編集
④書き出し、マスターテープ作成

ざっくりと紹介するとこんな感じです。
そのほかにも編集がある程度目処がついた段階で「ラッシュ」という映像の確認を行ったりもします。

これらが終わってパッケージングされた段階で「完パケ」という状態になりポスプロは終了となります。

オフライン、オンライン編集とは?

普段ゲームをよく遊ぶ方だと、「オンライン」と聞くと通信を使うのかと思いませんか?僕がそうでした。
実際はそうではありません。

オフライン編集というのは、撮影した映像や音の素材をざっくり順番に並べて、全体の骨組みを作るための最初の作業です。

その後に待ち構えるオンライン編集は、オフラインで作った骨組みを元に、よりブラッシュアップしていく作業になります。
整音やカラーグレーディング、合成なども主にオンライン編集の工程で行います。

映像作品の規模や尺によっては最初からオンライン編集をすることもあります。
premiereやEDIUS、Final Cutみたいな最近の編集ソフトは多機能で性能もいいので、別の工程で行う意義はだんだん薄くなってきてます。
ただ尺が長いと最初からオンラインをしていたんではいつまで経っても終わらないので、最初に大まかな骨組みを作ってから編集する方が能率が良いでしょう。

編集後

できた映像は一本の動画として書き出します。

公開する媒体にもよるのですが、一例としてクライアントに映像を納品するだけの場合はUSBやディスクなどの記録メディアに完成したデータをインポートしてそのまま納品します。

そのほかに映像を記録したメディアやフィルムを量産する場合はまず「マスターテープ」という原本を作成し、それをコピーする形になります。

DVDやブルーレイとして販売する場合は「オーサリング」という焼き込み作業が必要になります。ディスクにデータをドラッグ&ドロップしただけではプレーヤーで再生できません。オーサリング用のソフトがあったり、あるいは編集ソフトにあらかじめ入っている場合もあるのでそれを利用しましょう。

さいごに

ここまでおこなって「完パケ」です。
映画作品などではこの後に映画館での公開に向けて配給作業がありますね。

映像を作るって簡単そうですが、しっかり作ろうと思ったらこれだけの工程があります。
あと僕自身不勉強な部分もあるし、ここで書くにあたって端折ってることもあるので、実際にはもっと工程が多いこともあります。ケースバイケースですが。

というわけでフローチャート紹介はこれにて終了です。



ps:
最近「デス・ストランディング」というゲームの2周目をクリアしました。
このゲーム、メディアでは「オープンワールドアクション」という最近よくあるジャンルということになってるのですが、荒れ果てたアメリカを舞台に家から出られなくなった人たちに宅配を届けるゲームです。ニッチすぎる。
書きたいことは山ほどあるのですが、追記で書いていい分量じゃなくなるので割愛します。

ただこのゲーム、映画好きには特に遊んで欲しいです。
SFの世界観や、そこで行われる人間ドラマのアプローチはかなり映画的です。
その上で映画では描けないような大胆な演出があったり、プレイヤー自身がキャラクターを操作することで生まれるインタラクティブ性とシナリオのシナジーはまさしくゲームと映画のいいとこ取りって感じでした。

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