【厳選】今更聞けない!?最近聞かれた編集用語3選【掛け流し】
目次
- ○ お疲れ様です。
- ○ 今更聞けない編集用語三選
- ・1,イマジナリーライン
- ・2,pとi
- ・3,シネスコ
- ・最後に
お疲れ様です。
台風の季節ですね。
準シルバーウィーク中ですが、肝心の3連休2連発が両方台風に襲われそうという、悲劇なのかいつも通りなのかわからない時勢です。
学生の時は台風がくると休校になるかもとワクワクするのですが、大体直撃するのは休みの日なんですよね。あるあるなんじゃないかと思います。
ちなみに私の出身の熊本は盆地なので、台風が来ると毎年のように豪雨災害が発生して熊本城を取り囲む白川が氾濫します。修羅の地です。
いつも通り映画の話なのですが、9月中旬から11月中旬までは大作映画が公開されない時期です。
ちょうど夏休み興行と冬休み興行の間の時期になるので、いわば新作をストックする時期にあたるからです。
この時期を超えますと冬休み興行の前哨戦があり、そこで好評を勝ち取った映画がロングラン上映されるのに併せてクリスマス&年末年始、あれよあれよという間に賞レースの時期に入るので、各社とっておきの映画が公開される2月から春先、春休み興行、GW…という感じでしばらくノンストップです。
今年の冬休み映画、私の本命はなんと言っても「ブラックパンサー:ワカンダフォーエバー」!そして弊社オフィスがある神戸も舞台の新海誠監督作品最新作「すずめの戸締まり」も公開されます。
この二本、なんと11月11日の同日公開なので激アツのバトルが予想されます。まぁ客層違うので厳密に比較できないのですが…。
まぁ興行の話なんかどうでもよいのですが、先日「沈黙のパレード」という映画を見てきました。
原作はもちろん東野圭吾。福山雅治、柴咲コウ、北村一輝というおなじみのキャストが再集結した、ドラマ「ガリレオ」の9年ぶりの劇場新作です。
とはいえ、実はドラマ版はほとんど見たことがなく、第1シリーズだけはうっすら見てたと思うのですが、当時小学生なのでほとんど覚えてないです。
だのに、劇場版の「容疑者Xの献身」「真夏の方程式」は大好きです。どちらも大傑作です。
ガリレオといえば、例のBGMと「実に面白い」という決め台詞が印象的ですが、この二作はそのドラマ版の要素がなりを潜めており、ドラマの劇場版というよりは東野圭吾の小説の映画化という印象が強いです。
特に「真夏の方程式」はその傾向が強く、記憶してる限りでは決め台詞を全く言わず、例のBGMも本編中は流れないという徹底ぶり。ドラマ版の要素を徹底的に排した結果評価を落としてる部分も見受けられますが、個人的にはドラマ版をそもそも知らないので全くマイナスに感じませんでした。
この二作の好きなところは、主人公の湯川が警察側の人間じゃないため、事件のトリックを解いたとしても、その真実を個人または司法に委ねるしかない、そこで人間ドラマが展開される点です。トリックを解くサクセスももちろん楽しいですが、それ以上に犯人やその周りの人たちの交流が胸を打つものがあります。そこに「文学み」みたいなのを感じます。アホな日本語使ってスイマセン。
いずれも各社配信サービスで見放題ですので、ドラマ版を知らなくても全く引け目を感じる必要はないのでぜひ一度見ていただきたいです。
「湯川とかいう福山雅治の顔した物理学者が物理学関係なくても持ち前の頭脳で事件を解決していく」程度の知識で全然見れますので、ぜひ。
今更聞けない編集用語三選
前置きの部分が毎度長くなってしまうことをお許しください。アーメン
仕事の都合上、いろんな映像の編集者やカメラマンの方とお話しする機会があるのですが、その中で意外と知られていない単語もあるなと常々思っておりまして、今回はそれらを紹介できたらと思います。
というのも、私自身まだまだビギナーなのですが、毎度の前置きを見てもらえたら分かる通り、どうにも映画の知識に偏っておりまして、そうでない方と話すとそれってなんですか?と聞き返されることもあります。
何度も予防線を貼るようであれなのですが、私自身完全に理解できてるわけではないので間違いがあったら申し訳ないです。というわけで早速
1,イマジナリーライン
まぁこれは知らなくてもしょうがない部分ではあるのですが、主に映画の編集においてはイマジナリーラインというものがあります。
想定線(そうていせん)、またはイマジナリーラインとは、映画撮影など映像・動画収録の専門用語で、2人の対話者の間を結ぶ仮想の線、あるいは人物、車両などの進行方向に延ばした仮想の線をいい、この線を超えたカメラの移動や編集(カット繋ぎ)をしてはいけないとされている映像制作上の基本原則である。(wikipediaより抜粋)
です。
上の図で言うと、AからBの繋ぎなら、両者が向かい合って会話していることが直感的に理解できるのですが、
AからCにつなぐと同じ方向に向いてる画が続くので一瞬脳がショートして直感的に理解できなくなります。
これは会話のシーンだけでなく、ものが移動してる時のシーンなどにも適用されます。
そんなことしなくても誰と話してるかなんて分かるよ!と思う方もおられるかと思うのですが、映画というのは細かいカットのつながりなので、こういった繋ぎが全体に散りばめられてると空間認識が次第に麻痺して、結果的に今何をしているのかが分かりづらい、全体的にぼんやりした印象の映像になってしまうのです。
ただ、それを効果として狙う場合もあります。僕が学生の時には「インディ・ジョーンズ」のトロッコのシーンを例に出して教わりました。
なぜ最初に知らなくてもしょうがないと申したかというと、この原理、映画みたいにカメラを置く前提の現場なら意識できるのですが、イベント撮影などカメラを設置する場所に限りがある時は物理的に不可能な場合が多いからです。それよりも、いわゆるライブ感やフットワークを意識する方が良い場合もおおいので、知らないよりは知ってた方がいい程度の知識かと思います。
2,pとi
これはカメラビギナーの方から聞かれました。
フレームレートは「fps」で表記されることが多く、秒速60枚なら「60fps」と表記します。
ただそれとは別に、「60p」や「60i」なんて表記もよく見られます。これはなんの違いなんじゃということです。
全部説明するとめんどくさいのでざっくり言うと、「p」は「プログレッシブ走査」、「i」は「インターレース走査」の略で、
インターレースは映像のピクセルの奇数列と偶数列が交互に出力されて目に見えない速度で上下に点滅してる状態で、交互に出力されているのでその分容量が軽くなります。
プログレッシブは奇数列も偶数列も同時に出力されている状態のことで、容量はインターレースよりは重いです。
「目に見えないなら容量が軽いインターレースでいいんじゃね?」と誰もが思うのですが、小さい文字などを撮ると画面がチカチカして表示されます。フリッカーというのですが。
それが嫌だから、よほどのことがない限りはプログレッシブで撮ればいいんじゃないかな〜とおもいます。
3,シネスコ
これもビギナーの方から。
シネマスコープ(CinemaScope)は、主に映画撮影で用いられていたワイドスクリーン技術の一つ。アナモルフィックレンズを用いた横縦比2.35:1(12:5)の画面アスペクト比である。(wikipediaより)
です。
このシネマスコープを略して「シネスコ」と呼びます。
HD画質ならピクセル数は1920×816です。(ちなみに画面のピクセル数は基本的に全て8の倍数です)
ネットを探すと、有志の方が制作されたシネスコ作成用の透過画像は簡単に見つかりますが、もし編集ソフト上で人力で作るのであれば、黒のカラーマットを作成して、上下に132pxずつ(パーセンテージでは12%ずつ)はみ出るように配置したら完成です。映像をシネスコの範囲内に調整するのをお忘れなく。
そもそもシネスコはwikiにもある通り大昔のフィルムレンズの形状上できたアスペクト比なのですが、それがいまでも「なんとなくこれがあると映画っぽくなるよね〜」くらいの感覚で使われることがしばしば。
大学時代に友人ととある漫画原作のシネスコが入ったアニメ作品を見た際に、素直に「テレビでしかやってないんだからシネスコがある意味がわからない。画作りもシネスコを意識できてるとは思えないし、作画カロリーを省略するための手法にしかみえなくて安っぽい」と友人に行ったら「めんどくさい」とキッパリ言われて反省した思い出があります。
あるとき編集者さんがカメラマンさんと話してたのを聞いてると「シネスコ小さめに入れます」とおっしゃってて、(小さめに入れたらシネスコのアスペクト比じゃなくない!?)と思った思い出もあるのですが、こういうところがめんどくさいのでしょう。猛省
最後に
私の性格の悪さが露呈した記事になりましたが、知識として押さえておいても損はしないはずなので、何かの引っ掛かりになればと思います。
では…